2020-07-21

YahooメールアカウントをPOP経由で
Gmailに追加する際のエラー(timed out)への対処
:その2.Yahooメール削除作業編



やはり結論は最初に


Gメールクライアント(パソコン版)にYahooメールアカウントをPOP経由で追加する際、下記のようなエラーが出たときには、
pop.mail.yahoo.co.jp への接続に問題が発生しました。
サーバーから返されたエラー:
"Connection timed out:
There may be a problem with the settings you added.
Please contact your other email provider to verify the correct server name and port."

まずは、追加対象のYahooメールアカウント側の受信ボックスのメール件数を確認してみる。この件数が多い場合にも、上記にエラーになる模様
不要なメールを削除して、上記エラーが解消されるか試してみる。

削除対象が多い場合、削除作業は可能なら直接Yahoo側では無く、一旦、
gmailify(IMAP)で連携し直してからGメールクライアント経由で行った方が
効率良くストレスは少ない。

今回の場合は、5.7万件から1万件切るぐらいまで件数を減らすと、
エラーは解消された。2万件ではダメだった。

以下、経緯のような雑記の続き。


メールの削除を始めたはいいが…


Gメールクライアントでのメールの削除作業をイメージしつつ、半分ぐらいまで削除出来れば、エラーは解消するかな、と、軽い気持ちで、いざYahooクライアン側で削除作業を始める。

まずは消しても問題なさそうなメール文面や件名、送信元をキーワードで検索する。検索結果をざっと見て、一括で削除…、と思っていたら、一括選択が出来ない。設定変更で1ページ辺りの表示件数を100件まで増やす事は出来るが、1ページ毎に削除をしないといけない。また、その削除も、1ページ辺りの表示件数を少なくした場合は、そうでもないが、50件、100件と、表示件数を増やすと、目に見えて削除処理(ゴミ箱への移動)に時間がかかる。

ページ移動にも時間がかかることがあったり、「削除ボタン」を押しても反応が無かったり、フリーズしたか?と、タブを落として再表示させたり…。非常に悪い作業効率に暗い気分になった。


何か良い方法は?


とりあえず、所要時間や作業性の確認のためにも、と、最初の検索結果(件数は忘れた…)を削除し終えて、暗い気分のまま、何か良さげな方法は無いか、とネット検索してみる。1ページ辺りの表示数を増やす、受信ボックス内メールの一括削除、POPで取得時の削除、と、残念ながら、キタコレ感を得ないものばかりだった。
諦めて腹を括る。


ノウハウ的なものは多少貯まる


作業の裏で、ラジオ的に流せるような時間長めのYouTube配信を再生させて、削除マシーンと化す。にしても、「削除ボタン」を押すたびに起こる処理時間待ちが、作業のテンポを非常に悪くする。待ち時間に何かちょっと出来るな、と、配信の聞き流しだけでなく、シルバーコイン稼ぎも並行させてしまうほどに。

イライラしながらも作業を進めていく内に、
なんだかノウハウ的なものが溜まっていく。

最初は1ページ辺りの表示件数を、削除処理時間を鑑みて50件にしていたが、ページ移動の引っかかりや、ボタン押下でも動かない場合なんかも考慮しなおして、結局100件で進めるようになった。

削除したつもりでも、画面上に変化/自動遷移がない場合、削除処理が終わっておらず、それを確認せずに、ページを移動してしまうと、移動前のページの削除のやり直しになる。

上記の「画面上に変化/自動遷移」は状況によって異なる。その状況の違いは2つがあり、検索結果上での削除する場合と、受信ボックス上での削除する場合、である。前者では、対象メールに打ち消し線が表示された上、「フォルダー」が「受信箱」から「ゴミ箱」に変わる。後者は、対象メールが直接ゴミ箱に移動するようで、画面上から表示が消える。

削除操作は、メールクライアント上のボタンクリックだけでなく、ショートカットキーも使えるが、「Ctr-a」キーでの選択後に「削除ボタン」をクリックすると、削除処理が走らないような体感が多かったので、「Ctr-a」の後は「Delete」キーで削除するようになった。

削除処理を走らせている間、ページを下にスクロールさせると、
これまた体感値だが、処理が早く終わっているように感じた。

Yahooメールクライアントは、1次検索用と2次検索用に、2タブ立ち上げるようになった。1次検索の一覧を残しつつ、2次検索したい場合が多かったので。

作業後半になり、受信ボックスの1ページが丸々スパムになるようになってから気づいたのだが、同じ100件でも、検索結果からの削除と、受信ボックス上での削除では、体感、後者の方が早く感じた。

「ゴミ箱からの削除」でも、件数に応じて、それなりの時間がかかる。

少し余談、
Gメール上でメールを見ていたので気にしていなかったが、
Yahooメールの迷惑メールフィルターは、ほとんど機能していない模様。


半日ほどかかる…


ある程度まとまった件数を削除するたびに、アカウント追加の可否を確認していたが、結局、1万件を切ったタイミングでエラーなく、追加出来ることが分かった。振り返れば、半日ずっと削除作業をしていたことになる…。これで取り敢えずは、2つのYahooメールアカウントをGメールで参照出来るように戻せた。

あとは、削除対応していない方のアカウントのメール削除をどうするか、と、POP取得時のコピー残しの設定をどうするか。前者は、gmailifyで読めているし、後者は、やはりバックアップ的に残そうか、と両方先送りにする。そもそも半日作業で、それなりに疲れていたので、次のことをしっかりと考える余力がなかった。


ふと思いつくIMAP


妙案は、悩み事から少し距離を置くと、ふと浮かぶもので、翌日ぐらいだったか、POP経由時のメール削除方法を起点に、IMAP経由でのメール削除を思いつく。gmailify経由で参照しているメールに対して、Gメール上での削除操作がYahoo側でも反映されるなら、前日のような苦行にはならないだろうと。

まずは、1件試しにGメール上で削除してみる。Yahoo側で、そのメールを確認してみると、反映まで少し時間はかかるものの、ゴミ箱に自動的に移動していた。では複数選択ではどうか。複数選択の場合も、自動的にゴミ箱に移動されてはいたが、件数が違う。細かく見れていないが、POP経由で取得していたメールと、今回からgmailify経由で参照し始めたメールがゴチャッとなっており、完全な一対一対応にはなっていない感じ。

また、gmailifyを使うと、Yahooクライアント側にメールアドレスのような名前の新規フォルダーが自動で作成されるようで、そのフォルダには受信ボックスと重複するメールが散見された。それも、同じメールが2通あることが多く、つまりは、その重複分の容量は、本来の3倍に膨れ上がっている事になる。ざっと見比べてみた感じ、Gメール側でのタグ付きメールが相当する印象。新規フォルダ内のメール件数は、受信ボックスよりも2倍近くあったが、まずは、受信ボックス内の掃除に注力してみることにした。


楽しくなる削除作業


完全ではないし、気になる点はあるけれど、これで作業のテンポ感は格段に向上した。Yahooクライアントと違って、全件選択の一括削除は出来るし、その削除処理も格段に早い。また、Gメール側での迷惑メールフィルターの結果が、Yahoo側にも反映されているようで、POP経由の時のような、スパムメールがYahoo側の受信箱に残る事は、ほぼ無くなりそう。ただ、過去分のスパムについては、フィルタが効果していない感じなので、別途対応が必要かも。

それにしても、本当にサクサク作業が進む。Yahoo側のメールも目に見えて減っていく。気になっていた「新規フォルダ」内のメールもザクザク減っていったので、Gメール側から何か関連付けがされている雰囲気。

テンポ良く作業が進められるので、1000件釣れた!、これは30件だけか…、スパムには、こういうキーワードが多いのか…、こんなやり取りしていたのか、こんなサービスあったな…、などなど、検索ワードへのギャンプル的な快感や、過去の振り返り等も相まって、段々と作業自体が楽しくなっていた。しまいには、日常的なメール確認の後にも、気がつけば、削除対象の検索ワードを探していたり、若干中毒気味にも…。

取り敢えず、もう一方のYahooメールの受信ボックスも1万件以下したので、
当初のエラー問題は解決しているはず。


その後、少し落ち着いて


見落としで、消しちゃいけないメールも合ったかも知れないが、これまでも参照することなかったから、今後もないだろう、と、楽観的に考えつつも、
この記事を参考に作業される方は、ご注意を。

Yahooのサポートにも原因解明と問題解決の旨を返信しておいた。部内で共有され、今後の問い合わせの回答例のひとつになることを期待して。ただし、後日届いた満足度アンケートには、「500文字」の苦言をしたためた。

YahooメールアカウントをPOP経由で
Gmailに追加する際のエラー(timed out)への対処
:その1.原因究明編



まずは結論から


Gメールクライアント(パソコン版)にYahooメールアカウントをPOP経由で追加する際、下記のようなエラーが出たときには、
pop.mail.yahoo.co.jp への接続に問題が発生しました。
サーバーから返されたエラー:
"Connection timed out:
There may be a problem with the settings you added.
Please contact your other email provider to verify the correct server name and port."

まずは、追加対象のYahooメールアカウント側の受信ボックスのメール件数を確認してみる。この件数が多い場合にも、上記にエラーになる模様
不要なメールを削除して、上記エラーが解消されるか試してみる。

削除対象が多い場合、削除作業は可能なら直接Yahoo側では無く、一旦、
gmailify(IMAP)で連携し直してからGメールクライアント経由で行った方が
効率良くストレスは少ない。

今回の場合は、5.7万件から1万件切るぐらいまで件数を減らすと、
エラーは解消された。2万件ではダメだった。

以下、経緯のような雑記。



始まりは、3ヶ月前…


Yahooからセキュリティアラートのメールが届く。どうやら普段使いの場所以外からのログインの形跡が合った模様。ログイン履歴では、ログインされたかまでは分からず、履歴上はその一件のみのようだったので、急いでYahoo側のパスワードを変更する。多分悪さはされていないと思いたい…。

そのパスワード変更に伴って、Gメールクライアントに追加しているYahooメールのパスワード更新も必要になる。そこで、今回のこのエラーに気づく。

ざっとエラーになりえる部分を確認するも、特に設定をミスっているような事はなさそう。エラーメッセージで検索かけるも、有用な回答は見つからない。有り得そうなのは、今回の不正なログイン試行に対してYahoo側で一時的にロックしている場合。継続した不正ログイン試行があると面倒だなと思いつつ、時間での解消に期待して待ってみることにした。

その間、Gメールに追加していたYahooメールは、少し手間にはなるが、直接Yahooメールクライアントで確認するようにした。


それから1週間、1ヶ月、3ヶ月…


サーバー側での一時ロックは長くても1週間くらいか、と感覚的に考えていたが、一向に解消されない。継続した不正ログインの試行があるためか、まさか、1ヶ月もか?などと思いつつ、定期的にエラーの有無を確認していたが、日々の惰性に流され、3ヶ月ほどが経過する。


もう一つのYahooメールでも…


大きな問題にはなっていなかったので、このままでも良いかなと思い始めた頃、Gメールに追加していた別のYahooメールでも受信エラーしている事に気づく。

ちょっとしたサービスへの登録過程で、確認メールが一向にGメールクライアント側に届かない。POP経由なので時間がかかるのは仕方ないが、それにしても…、と、Gメール側でのメール受信履歴をみると、エラーで受信失敗になっている。これをみて、そう言えば…、と、散発的に受信エラーになっていた事を思い出す。その時には、後続の受信処理が成功していたので、調子悪いのかな、というぐらいで、特には気にしていなかったのだが。


gmailifyを試してみる


この別アカウントでの受信エラーを契機に、ふと「gmailify」を試してみようと思い立つ。YahooメールをGメールで受信し始めた頃(随分昔のはず…)には、無かったと思うこの機能、以前に試した時には、上手くリンク出来ず、使えないものと考えていたが、このタイミングで試してみると、サクッと接続できた。

これでYahoo側で参照していたアカウントもGメールでの参照に戻せるな、と、勢いに乗って、受信エラーになっているもう一つのアカウントもgmailify経由にしようと、POP経由の設定を削除してしまう…。そして、新規にgmailifyでの設定を作る際に、gmailifyの接続数制限に気がつく…。


Yahooのサポートに問い合わせる


根本的な問題の解決になっていないが、gmailifyの利用で対処できそうなところに、非常にヤラかした感の強いことをやってしまい、”勢い”が反転する。ダメ元でサポートに問い合わせることにした。問題になっているYahooのアカウント以外の、別会社のアカウントではPOPでエラー出ておらず、サーバー側でのロックも疑っていたので、グーグルではなく、まずはYahooに問い合わせようと思い立つ。

確認されそうな事をフォームにしたためていく。初報として十分かな、と思える情報を書き終え、送信ボタンを押すと、「500文字以内で」とのエラー表記。書いた文章を確認すると、1000文字オーバーだったので、このブロッキング手法に憤る。

反転していた勢いに憤りが被さる中、文字数を削除して、返信を待つことにした。


やっぱりの紋切り回答だったけど…


Yahooサポートからの回答は案外早く、半日ぐらいで届いた。想定していたとは言え、定型文な印象の上、半日ほど前に削除せざるを得なかった文言を確認され、再度、憤る。その憤りを勢いに、先方からの確認事項に返答する。

再度の回答が届く。この回答も紋切り感は否めなかったが、
以下の返信内容に何かが引っかかった。
セキュリティソフトの影響などにより送受信作業に時間がかかってしまい
メールが正常に送受信できない可能性があります。
確かに、エラー内容は「timed out」なのだけど、接続先サーバー側の接続拒否的な挙動を想定していたので、メール取込み処理の負荷の観点は抜けていたな、と。

検索キーワードをエラーメッセージから「読み込み エラー」的なものに変えてみると、まさに、なページにたどり着く。


削除作業という戦い…


Gメール側でのメール削除は、これまでも何となく行っていたが、取込み先のメールは触っておらず、POPでの取込み時にも「コピーを残す」にしていた。まずは、1つ目のYahooメールの受信ボックスを確認すると、5.7万件ほどのメールが溜まっていた。どこまで減らせば、POPでのアカウント接続できるようになるか。削除作業を進めていかないと分からないので、手を付け始めたのだが、この作業がこれまた一筋縄では逝かない新たな戦いであった…。

2020-05-19

PS4のリモートプレイ(Win10)時の雑音への対応

前段

ノートPCを新調し、OSが3世代ほど上がった。特に重たい処理をさせるつもりはなかったけれど、メモリ8GBぐらいはほしいと、6万弱のレノボのIdeaPad S340を購入した。

当初はブラウジングぐらいにしか使っていなかったが、ものは試しと、評判の良い『FF14』やら、Steamの少し古めのゲームに手を出し始めた。

特に大きなストレスを感じることなくゲームを遊べていて、その流れでPS4のリモートプレイも試してみた。というのも、当初PS4の購入はPSVRの付属品という極端な考え方で、当時の目的だった『Rez infinite』の専用機としたので、我が家にはテレビやPCモニタなどがなかったからだ。

でも欲は広がっていくもので、結局は、『Rez infinite』専用機には留まらず、なんやかんやでシネマティクモードで通常のゲームも遊ぶようになっていった。

ただ、ゲームに腰を上げるにあたって、PSVRをかぶる、という行為がちょっとした気持ちのハードルになっていて、ハマり込んでいるゲームであれば、ひょいっと飛び越えられるハードルであっても、スマホのように、ふと手をのばすという場合には、障壁となっていた。

そんなだったので、新規に購入したノートPCの画面でPS4のゲームが出来れば、この小さなストレスが減らせるかも、と考えた。

雑音以外は問題なさそう

設定自体は簡単に出来て、PS4、ノートPC共に無線環境だが、目に見える遅延は感じなかった。

ただ、無音の場面の時には、ほどんど発生しないのだが、何らかの音が鳴っていと、定期的なプツプツという耳障りな雑音が乗っていた。音がドンジャカするような派手な場面では、雑音は乗っているものの、さほど気にはならないが、少し場面のトーンが落ちてくると、足の裏のご飯粒のように没入の妨げになる。

通信速度か?

で、最初に考えたのが通信速度の影響。インターネット上での速度計測では共に50Mbps以上は出ていたので、雑音には関係していないかもと思いつつ、無線ゆえの何かがあるかも、と、有線に替えてみた。速度計測の改善は大きく見られたものの、雑音の解消には至らなかった。

つまり、通信速度の影響ではなさそう。で、改めて「リモートプレイ」をキーワードに、ネットやツイッターで検索してみるも、症状についてはいくつかヒットするものの、改善方法の記載は見つからなかった。

雑音の原因は?

しょうがないか、と諦めつつあったところで、iPhoneでのリモートプレイ時には、雑音は乗ってこないしな、と、Windows上での雑音問題にキーワードを替えることを思いつく。そうすると、どうもサウンドデバイスが悪さをすることがあるようで、「サンプルレートとビットの深さ」を大きな数値にすると、改善がみられそうな記事を見かける。で、当ノートPCで早速試してみるも、設定値が固定されていて変更できない…。どうもハードウェア的に制限されている雰囲気…。

カーネルミキサーの迂回仮想デバイスとか、また本筋とは違う深みに少し足をつっこみつつも、いやいや、と頭を振って考え直す。

音の出力先を替えれば…

音の出力先を現状のサウンドデバイス以外に、簡易に変更出来れば、と…、当ノートPCに付いているHDMIポートが目に入る。HDMI経由のサウンドデバイスも規定デバイス以外にあったな、と…、これが使えるスピーカーを検索、と…、これまた間違った方向に進み始めたところで、USBスピーカーで十分なことに気づく。

そんなに高くないUSBスピーカーとは言え、お試しで購入するのもな、となったところで、最近使っていないBluetoothのイヤフォンを思い出す。

現状の結論

雑音が出るなら出力先のサウンドデバイスを替えてみる

2020/05/19 21:15 追記:
直接のUSBスピーカーではなく、こういう方向性も。

2019-11-28

『Dear Esther』を日本語訳してみる:その26

text key="ascension"

親愛なるエスターへ。

私は燃やした。

私の持ち物を。
私の本を。
この死亡証明書を。

私のは、書かれるだろう。
この島全体に渡って。

ヤコブソンは誰だったのか?
誰が彼を覚えているのか?

ドネリーは、
彼について書いている。
しかし、

ドネリーは誰だったのか?
誰が彼を覚えているのか?

私は描き、彫り、切り開き、曲を書いた。

この空間たる、
彼から引き出せた全てに。

別のもあるだろう。

私を覚えているような、
これらの海岸とは。

私は、

大海から浮き上がる。
底の無い島のように。

一体となる。
石のように。

アンテナとなり、
浮標となる。

彼らが君を忘れないように。

私達はいつもここに引きつけられる。

いつの日か、

カモメ達が戻ってきて、
巣を作るだろう。

私達の骨と、
私達の過去の中に。

私が自分の左に振り向くと、

私の横で飛んでいる、
エスター・ドネリーが見えるだろう。

私が自分の右に振り向くと、

私の横で飛んでいる、
ポール・ヤコブソンが見えるだろう。

彼らは残す。
白い線を。

空に刻んで。
本土に届くように。

助けが送られるように。
Dear Esther.

I have burnt my belongings, my books, this death certificate.

Mine will be written all across this island.

Who was Jakobson, who remembers him?

Donnelly has written of him, but who was Donnelly, who remembers him?

I have painted, carved, hewn, scored into this space all that I could draw from him.

There will be another to these shores to remember me.

I will rise from the ocean like an island without bottom, come together like a stone, become an aerial, a beacon that they will not forget you.

We have always been drawn here: one day the gulls will return and nest in our bones and our history.

I will look to my left and see Esther Donnelly, flying beside me.

I will look to my right and see Paul Jakobson, flying beside me.

They will leave white lines carved into the air to reach the mainland, where help will be sent.

text key="ascension2"

親愛なるエスターへ。

私はダマスカスの崖を燃やし、
私はそれの深遠を飲んだ。

私の心臓は、
私の脚と一本の黒い線。

その線は、
その紙の上に彫り刻まれている。
底の無いこの船にずっと沿って。

君は世界の全て。
私にとっての巣のように。

その中では、

無傷の卵が
化石ように形作られ、

一体化し、砕け散る。
そして、

小さな黒い花々を
まさに大気へと送る。

この感染から、希望を。

この島から、飛翔を。

この悲嘆から、愛を。
Dear Esther.

I have burned the cliffs of Damascus, I have drunk deep of it.

My heart is my leg and a black line etched on the paper all along this boat without a bottom.

You are all the world like a nest to me, in which eggs unbroken form like fossils, come together, shatter and send small black flowers to the very air.

From this infection, hope.

From this island, flight.

From this grief, love.




     

2019-11-26

『Dear Esther』を日本語訳してみる:その25

text key="summita"

私は切らした。
登るべき場所を。

私は、
この身体を捨て去り、

空へ飛ぶ。
I have run out of places to climb.

I will abandon this body and take to the air.

text key="summitb"

私達は残す。

2つ並んだ飛行機雲を
その空に。

削られた白い線を
この岩々に。
We will leave twin vapour trails in the air, white lines etched into these rocks.

text key="summitc"

私はアンテナ。

私の消滅後、

私は情報を送る。
ありとあらゆる星へ。
I am the aerial.

In my passing, I will send news to each and every star.




     

2019-11-22

『Dear Esther』を日本語訳してみる:その24

text key="ascent2a"

彼は酒に酔っていなかった。

エスター、
彼は酒に酔ってなどいなかったのだ。

彼はドネリーに酔っていなかったし、

ヤコブソンを海に、
吐き戻しもしなかった。

つまり、
彼は境界を越えなかった。

その失われた海岸と、

この始まりの群島の
終りの浜辺の境界を。

彼は意図しなかった。

彼のボンネットが
衝撃でくしゃくしゃになることを。
使ったテッシュのように。

彼のフロントガラスには
一面の星のきらめきは無かった。
天国の地図のような。

彼の塗装面には刻み描かれる。

回路図が。

カモメ達を呼び出す、
奇妙な魚が。

そのスリップ痕のリン光は
照らしている。

M5高速道路の、

エクセターからダマスカスまでの
全ての道を。
He was not drunk Esther, he was not drunk at all.

He had not drunk with Donnelly or spat Jakobson back at the sea; he had not careered across the lost shores and terminal beaches of this nascent archipelago.

He did not intend his bonnet to be crumpled like a spent tissue by the impact.

His windscreen was not star-studded all over like a map of the heavens.

His paintwork etched with circuit diagrams, strange fish to call the gulls away.

The phosphorescence of the skid marks lighting the M5 all the way from Exeter to Damascus.

text key="ascent2b"

目が見えない。
混乱で。

耳が聞こえない。
カゴに入れられた交通のうなり声で。

心臓が止まった。
ダマスカスへの道中で。

ポールは。

路側に座っていた。
肩をすぼめて。

カモメのように。

血まみれのカモメのように。

役に立たずで、絶望的。

梅毒の地図製作者のように。
死にゆくヤギ飼いのように。
感染した脚のように。

サンドフォードとエクセターへの
交通を止める、

腎臓結石のように。

彼は酒に酔っていなかった。

エスター、
彼は酒に酔ってなどいなかったのだ。

つまり、
彼の道路と、彼の地下道と、彼の小道の、
全てが必然的に導いた。

この衝突の瞬間へ。

これは今までの自然な状況ではない。

つまり、
彼はそこに座らされるべきでは無かった。

彼の化学薬品と、
彼の回路図と共に。

彼はそこに、
全く座らされるべきでは無かったのだ。
Blind with panic, deaf with the roar of the caged traffic, heart stopped on the road to Damascus, Paul, sat at the roadside hunched up like a gull, like a bloody gull.

As useless and as doomed as a syphilitic cartographer, a dying goatherd, an infected leg, a kidney stone blocking the traffic bound for Sandford and Exeter.

He was not drunk Esther, he was not drunk at all; all his roads and his tunnels and his paths led inevitably to this moment of impact.

This is not a recorded natural condition: he should not be sat there with his chemicals and his circuit diagrams, he should not be sat there at all.

text key="ascent2c"

私はこれらの水を汲み上げる。

隠修士の骨に向けて。
ドネリーの痕跡に向けて。
ヤコブソンの群れの形跡に向けて。

そして、
彼に罪を負わせた、
空のビンに向けて。

私は調べ回った。
高速道路のこの直線を。
21回。

再現するために。

彼の経路を。
彼の心臓が急停止した時点を。

そして、彼が見たものは唯一。
その月だった。

サンドフォード分岐路の上空の。

彼は酒に酔っていなかった。

エスター、
彼は酒に酔ってなどいなかったのだ。

そして、
それは彼の責任では無かった。

それは、
彼を運命づけた集中線。

これは今までの自然な状況ではない。

カモメ達は、飛ばない。
そんなに低く、高速道路の上を。

そして、
彼の急ハンドルの、理由にもならない。

そのペンキは五線譜に刻まれた。
彼の車から離れて。

感染のように、
直接、心臓に向かって。
I have dredged these waters for the bones of the hermit, for the traces of Donnelly, for any sign of Jakobson’s flock, for the empty bottle that would incriminate him.

I have scoured this stretch of motorway twenty-one times attempting to recreate his trajectory, the point when his heart stopped dead and all he saw was the moon over the Sandford junction.

He was not drunk Esther, he was not drunk at all, and it was not his fault, it was the converging lines that doomed him.

This is not a recorded natural condition, the gulls do not fly so low over the motorway and cause him to swerve.

The paint scored away from his car in lines, like an infection, making directly for the heart.

text key="ascent2d"

カモメが一羽、
疲れ切ったボンネットに止まっていた。
冷たく横を向いて。

一方で、
サイレン音が降ってくる。
少し離れた距離から。

そしてまた、
その金属がうめき声を出す。
私達の悲嘆の中。

私は、この闇夜に居て、
歩いている。

古びたパンとカモメの骨。

年老いたドネリー、
その酒場で自分の飲み物を握っている。

年老いたエスター、
私達の子供達と歩いている。

年老いたポールは、
相変わらずで。

年老いたポール、
彼は震え、彼は怯え、
そして、

彼は自分の光を消す。
孤独に。
A gull perched on a spent bonnet, sideways, whilst the sirens fell through the middle distance and the metal moaned in grief about us.

I am about this night in walking, old bread and gull bones, old Donnelly at the bar gripping his drink, old Esther walking with our children, old Paul, as ever, old Paul he shakes and he shivers and he turns off his lights alone.




     

2019-11-20

『Dear Esther』を日本語訳してみる:その23

text key="channel"

ドネリーが、
これを経験してさえいたなら、

彼は悟っていただろう。

自分が、自身の持つ海岸線であると。
私と同じように。

まさに私が
この島になりつつあるように、

彼もまた、
自身の梅毒となった。

引きこもるために。

焼けるシナプスに。

その岩々に。

その感染に。
If only Donnelly had experienced this, he would have realised he was his own shoreline, as am I.

Just as I am becoming this island, so he became his syphilis, retreating into the burning synapses, the stones, the infection.

text key="ascent1a"

私の車に、その後、
戻ると、

両手はいまだ震え、
頭は裂けて開く。
その衝撃で。

別れを告げる。

涙ぐんだ叔母達と、
心に傷を負った叔父達に。

さようならを告げる。
現象に。

さようならを告げる。
実体に。

さようなら、
ウルヴァーハンプトン。

さようなら、
サンドフォード。

さようなら、
クロマー。

さようなら、
ダマスカス。

この崖道は滑りやすい。
露に覆われていて。

つまり、よじ登るには厳しい。
そのような感染を持っていては。

私は悪い肉を切り除き、

そのアンテナから、
それを吊るさなければならない。

私はきっと満たされる。
まさにこの大気で。
Returning to my car afterwards, hands still shaking and a head split open by the impact.

Goodbye to tearful aunts and traumatised uncles, goodbye to the phenomenal, goodbye to the tangible, goodbye Wolverhampton, goodbye Sandford, goodbye Cromer, goodbye Damascus.

This cliff path is slippery in the dew; it is hard to climb with such an infection.

I must carve out the bad flesh and sling it from the aerial.

I must become infused with the very air.

text key="ascent1b"

ヘッドライトは、

これら網膜に映っている。

そして、あまりに長い。
底のない私の島の地下道には。

海の生き物が表面に上がっているが、
カモメ達はここにはいない。

それらを彼らの巣に戻すような。

私は釘付けになった。

開かれ、凝視する、
それ自体に惹かれる眼。

私は感染した脚になった。

その追跡線は形作る。
完全な地図を。

M5高速道路の分岐路の。

私はその出口を出る。
太ももの中間にある。

そして、
真っ直ぐに落ちる。

私のエスターの元へ。
There are headlights reflected in these retinas, too long in the tunnels of my island without a bottom.

The sea creatures have risen to the surface, but the gulls are not here to carry them back to their nests.

I have become fixed: open and staring, an eye turned on itself.

I have become an infected leg, whose tracking lines form a perfect map of the junctions of the M5.

I will take the exit at mid-thigh and plummet to my Esther.

text key="ascent1c"

私の腹の中の石は、
私を押し下げ、

確実にするだろう。

私の下りが正しく、
そして、真っ直ぐである事を。

私は切り抜ける。
これら堕落した薬のもやを。

そして、獲得する。
明瞭さを。

全ての私の機能は妨げられ、
全ての私の脈道は窒息している。

もし、私がその頂上に着く前までに、
私の脚が朽ちないなら、

それは奇跡だろう。

21の接続がある。
そのアンチロックブレーキの回路図には。

21の種がいる。
これら島に住むカモメには。

21マイルある。
サンドフォード分岐路と
家の脇道の間には。

全てのこれら事柄は、
偶然の一致であろうはずもない。
The stones in my stomach will weigh me down and ensure my descent is true and straight.

I will break through the fog of these godforsaken pills and achieve clarity.

All my functions are clogged, all my veins are choked.

If my leg doesn’t rot off before I reach the summit, it will be a miracle.

There are twenty-one connections in the circuit diagram of the anti-lock brakes, there are twenty-one species of gull inhabiting these islands , it is twenty-one miles between the Sandford junction and the turn off for home.

All these things cannot, will not, be a co-incidence.

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背を曲げる。

爪のように。
ささくれのように。

その車輪にしがみついた、
溺死する男のように。

酒に酔い、そして、
螺旋状に進むその車輪は、

その失われた海岸に流れ着く。

砕けた翼のように破砕した、
月の下で。

私達は割れる。

私達は飛翔と停止。

これら卑劣な痛み止め。

この移り気な形態。

私は逃げ出す。

私は逃げ出す。
Bent back like a nail, like a hangnail, like a drowning man clung onto the wheel, drunk and spiraled, washed onto the lost shore under a moon as fractured as a shattered wing.

We cleave, we are flight and suspended, these wretched painkillers, this form inconstant.

I will take flight.

I will take flight.