展示会自体も明日で終り、だったかな。最終週は開館時間を延長されたようですね。こういう内容のブログは展示会が始まった時の方が良いとも思ういつつ、でも一方で、恒久的に残りうるとも考えていて、どこかの誰かが参考になり、何かになり、してくれたらなぁ、と期待している訳ですが、さて、どうでしょうか。
ま、中途半端になってしまうのも何なので、とりあえず。
16.After Image
大きな写真が2枚。右手の手首から肘までの間がなくなっている初老の方。手首から先の姿勢が2枚では少し違っている。
力のある写真だと感じました。モデルになっている方は肘から先を事故で欠損されてしまったそうです。その方にインタビューをして、幻肢がどのような状態なのかを聞き取り、CGにて後から合成をしているそうです。ただ合成して、欠損部分全てをCGで再現するのではなく、手首から先のみを再現していることで、初見の違和感だけでなく、モデルさんの視線の強さも相まって、語りかけられるように感じました。あまり立ち止まってみている観客がいなかった事が少し残念でした。
大きな写真が2枚。右手の手首から肘までの間がなくなっている初老の方。手首から先の姿勢が2枚では少し違っている。
力のある写真だと感じました。モデルになっている方は肘から先を事故で欠損されてしまったそうです。その方にインタビューをして、幻肢がどのような状態なのかを聞き取り、CGにて後から合成をしているそうです。ただ合成して、欠損部分全てをCGで再現するのではなく、手首から先のみを再現していることで、初見の違和感だけでなく、モデルさんの視線の強さも相まって、語りかけられるように感じました。あまり立ち止まってみている観客がいなかった事が少し残念でした。
17.Home of the Heart I
床面が4mぐらいの四方でコンクリートがむき出しになっている。そして、その中心に、いくつかの穴の開いた直方体のコンクリートの塊が置かれている。一見するとコンクリートだが、穴の位置や大きさ、表面の状態などと観察すると、人間の胴体を抜き取った形状になっている。
前の『After Image』と同じく、あまり人が注目していなかったように思います。どちらも佐藤さんの名前が制作者に入っていないので、雰囲気が他ものとかなり違うようです。しかし、これもよくよく見ていると、どうやって作ったのかな、とか、型取りしている風景を想像してクスリとしたり、とか、考えを巡らせていくと面白い作品だと思います。いつもは表面として意識している体が内面になってしまうと、分からないものですね。
18.2048
透過性のスクリーンの前に、小さい机。指揮者が使うような大きさ。そこに覗き窓。音声にしたがって覗き込むと、認識しましたとの音声。すると、スクリーンに映し出される眼のような同心円。円は01の列。音声の指示で、机に設置された黒板消しで、スクリーンをなぞると、消える01の同心円。音声で、「しかし、まだ、あなたです」というようなアナウンス。もっと消していくと、「もうあなたではありません」と音声。入場前に登録した虹彩の情報を使ったインスタレーション。
虹彩情報というのは、日々の体調によって実は変わっているそうです。しかし、個人認証としては、その体調による振れ幅を吸収してしまうほどに情報量が多く、多少の欠損があっても個人認証が出来るそうです。スクリーンに映し出された01の列は、おそらく虹彩情報から生成した01列だと思うのですが、思った以上に消しても大丈夫なことに驚きました。生体情報の特に強い情報量をもっている虹彩を使って、まさに、その強さを明示的に表現したものでした。
前の『After Image』と同じく、あまり人が注目していなかったように思います。どちらも佐藤さんの名前が制作者に入っていないので、雰囲気が他ものとかなり違うようです。しかし、これもよくよく見ていると、どうやって作ったのかな、とか、型取りしている風景を想像してクスリとしたり、とか、考えを巡らせていくと面白い作品だと思います。いつもは表面として意識している体が内面になってしまうと、分からないものですね。
18.2048
透過性のスクリーンの前に、小さい机。指揮者が使うような大きさ。そこに覗き窓。音声にしたがって覗き込むと、認識しましたとの音声。すると、スクリーンに映し出される眼のような同心円。円は01の列。音声の指示で、机に設置された黒板消しで、スクリーンをなぞると、消える01の同心円。音声で、「しかし、まだ、あなたです」というようなアナウンス。もっと消していくと、「もうあなたではありません」と音声。入場前に登録した虹彩の情報を使ったインスタレーション。
虹彩情報というのは、日々の体調によって実は変わっているそうです。しかし、個人認証としては、その体調による振れ幅を吸収してしまうほどに情報量が多く、多少の欠損があっても個人認証が出来るそうです。スクリーンに映し出された01の列は、おそらく虹彩情報から生成した01列だと思うのですが、思った以上に消しても大丈夫なことに驚きました。生体情報の特に強い情報量をもっている虹彩を使って、まさに、その強さを明示的に表現したものでした。
19.MICHELLE: FIND THIS MAN
順路通路の途中、真中に、江戸時代の掲示板のように写真のような、写実的な、外国人の顔が貼り出されている。キャプションに「FIND THIS MAN」とある。
解説を見て、面白さが分かった作品でした。作品の肝となる顔は、実は切り貼りで作ったコラージュ。そして、各部品は、凶悪犯罪を起こした犯人の要素らしいです。それらを組み合わせて、最強な犯罪者を作っているそうですが、実際には、その顔の人間は存在しない。凶悪犯罪者というイメージが強調されて、レッテルのような顔になっているけれども、実際には存在しない。そんな顔のミシェルを探せ、と言っている。現代芸術的ですが、こういうの好きです。しかし、皆さん見事にスルーされていました。大竹伸朗というだけでも、足を止めても良いと思うですが…。
20.トポグラフィカル・アナロジー
白黒の写真が4枚。どれも解体前の建物の壁やカーテンを写したものらしい。傷やほころびなど、日常的に使われていた感じが残っている。
遠目から見ていると、鉛筆のデッサンっぽく見えていたのですが、写真とのこと。まっ更な状態ではなく、使われていく中で付いていく汚れや傷、そこからそこでの生活を思い浮かべて、という作品らしいのですが、いまいちピンと来ませんでした。確かに、どういうように使われているかが、その結果から分かるというのは、そうなのですが、僕には面白みを見いだせませんでした。
解説を見て、面白さが分かった作品でした。作品の肝となる顔は、実は切り貼りで作ったコラージュ。そして、各部品は、凶悪犯罪を起こした犯人の要素らしいです。それらを組み合わせて、最強な犯罪者を作っているそうですが、実際には、その顔の人間は存在しない。凶悪犯罪者というイメージが強調されて、レッテルのような顔になっているけれども、実際には存在しない。そんな顔のミシェルを探せ、と言っている。現代芸術的ですが、こういうの好きです。しかし、皆さん見事にスルーされていました。大竹伸朗というだけでも、足を止めても良いと思うですが…。
20.トポグラフィカル・アナロジー
白黒の写真が4枚。どれも解体前の建物の壁やカーテンを写したものらしい。傷やほころびなど、日常的に使われていた感じが残っている。
遠目から見ていると、鉛筆のデッサンっぽく見えていたのですが、写真とのこと。まっ更な状態ではなく、使われていく中で付いていく汚れや傷、そこからそこでの生活を思い浮かべて、という作品らしいのですが、いまいちピンと来ませんでした。確かに、どういうように使われているかが、その結果から分かるというのは、そうなのですが、僕には面白みを見いだせませんでした。
21.新しい過去
タッチパネルで名前と好きな食べ物を平仮名で入力する。そのタッチパネルの奥に、古い感じの机と椅子がある。机の上には、テープレコーダ。椅子に座ると、スイッチがガチャ!と入って、巻き戻し。再びガチャ!で再生。幼い子供の声で、自分の名前や好きな食べ物を使った音声日記。
整理券などなく、とりあえず人が並んでいました。1時間ぐらい待ちました。作品名にあるように、自分が経験していない過去を聞かされて、さて、どうか、というものですが、自分の名前が呼ばれても、これはあまりグッと来ず。自分の声や映像が使われていれば、かなり印象は違ったかも知れませんが、それは技術的に難しそう。
タッチパネルで名前と好きな食べ物を平仮名で入力する。そのタッチパネルの奥に、古い感じの机と椅子がある。机の上には、テープレコーダ。椅子に座ると、スイッチがガチャ!と入って、巻き戻し。再びガチャ!で再生。幼い子供の声で、自分の名前や好きな食べ物を使った音声日記。
整理券などなく、とりあえず人が並んでいました。1時間ぐらい待ちました。作品名にあるように、自分が経験していない過去を聞かされて、さて、どうか、というものですが、自分の名前が呼ばれても、これはあまりグッと来ず。自分の声や映像が使われていれば、かなり印象は違ったかも知れませんが、それは技術的に難しそう。
22.佐藤雅彦さんに手紙を書こう
タブレットの上に紙をおいて、ひらがなだけで佐藤雅彦さんに手紙を書きます。原稿用紙一枚ぐらいの量。キャリブレーションのような、チェックマークを書いたり、ペンの置き位置に注意したり。書き終わったら、ポストに投函する。そして、帰りの出口前に、佐藤さんからの返信が届いている。
これも見事にヤラれた作品でした。タブレットを使っている時点で分かる人には分かると思うのですが、実際にペンで紙に字を書き、それが目の前にあること。そして、実際にポストに投函する。この二つの作業が、返信に対して、勝手なイメージを作っていました。説明員の人に、「本当にすぐに返事が来るんですか?」と聞いてしまいました。行為と結果の連続性というか、自分の行為から結果を想像する際、今回は見事にミスリードしていて、ヤラれた感満載でした。手品と同じですよね。視点や注目をそらす方法。
とりあえず、まとめらしきもの
個々の感想は皆んなそれぞれ、違うのでしょうが、キュレーターや佐藤さん自身の解説を聞きながら体験できるとまた違った印象になると思います。よく、「作品の解説はしません、鑑賞した人それぞれで感じてもらえれば」なんていう方もいらっしゃいますが、僕のように感度が弱い人にとっては、解説があった方が楽しめるだろうし、そこからの深みも出てくると思います。特別講義を受けても感じましたが、佐藤さんは非常にサービス精神の旺盛な方なのでしょう。それなりに観客に納得してもらいつつ、でも、いじわるな部分もあったり、そこもサービスなのかも知れませんが。海外の方が鑑賞され、感想を知人の方に「スマート」とおっしゃっていたのが耳に入りました。まさに、スマートな展示会で、それなりに、スマートに鑑賞して、面白みや楽しさに深みが出る展示会だったと思います。
これも見事にヤラれた作品でした。タブレットを使っている時点で分かる人には分かると思うのですが、実際にペンで紙に字を書き、それが目の前にあること。そして、実際にポストに投函する。この二つの作業が、返信に対して、勝手なイメージを作っていました。説明員の人に、「本当にすぐに返事が来るんですか?」と聞いてしまいました。行為と結果の連続性というか、自分の行為から結果を想像する際、今回は見事にミスリードしていて、ヤラれた感満載でした。手品と同じですよね。視点や注目をそらす方法。
とりあえず、まとめらしきもの
個々の感想は皆んなそれぞれ、違うのでしょうが、キュレーターや佐藤さん自身の解説を聞きながら体験できるとまた違った印象になると思います。よく、「作品の解説はしません、鑑賞した人それぞれで感じてもらえれば」なんていう方もいらっしゃいますが、僕のように感度が弱い人にとっては、解説があった方が楽しめるだろうし、そこからの深みも出てくると思います。特別講義を受けても感じましたが、佐藤さんは非常にサービス精神の旺盛な方なのでしょう。それなりに観客に納得してもらいつつ、でも、いじわるな部分もあったり、そこもサービスなのかも知れませんが。海外の方が鑑賞され、感想を知人の方に「スマート」とおっしゃっていたのが耳に入りました。まさに、スマートな展示会で、それなりに、スマートに鑑賞して、面白みや楽しさに深みが出る展示会だったと思います。
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